中高年の方の膝痛②:変形性膝関節症

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変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

■どのような病気か

50歳を超えた人の膝関節痛のほとんどを占める疾患です。長年の荷重による、軟骨のすり減りが原因で、そのため関節の炎症を起こして疼痛が出現します。疼痛は安静で軽快することが一般的で、動作の開始時などの運動痛が主体です。

OA1 OA2

■なぜ起こるのか

原因を特定できない1次性と原因を持った2次性に分けられ、1次性が多く、その素因として年齢のほか、性(女性)、歩行時の膝横揺れ、肥満、O脚変形があります。
頻度は60歳代では男性20%以下で女性は35%程度であるものが、70歳以上では全女性のうち、半数以上がこの変形性膝関節症になります。
わが国ではO脚変形に伴う内側型(大腿骨と脛骨の間の関節)とこれに膝蓋型(膝蓋骨と大腿骨の間の関節)の合併が圧倒的に多いです。
レントゲン検査にて膝関節の骨が変形し、骨と骨のすき間が狭くなっている状態です。

■どうしたら治るのか

・治療は進行の防止と症状への対応です。変形性膝関節症は慢性の経過をとり、多くが手術を必要としない軽度のもので、日常生活管理と各種保存療法(手術以外の治療)の対象です。

・ 保存療法は「運動器の生活習慣病」と考え、廃用性変化(老化)の防止のため活動性を維持し、疼痛が増強する具体的動作の制限や減量などの生活が大切です。 運動療法の筋力強化の対象は主として膝伸展筋で、膝の屈曲拘縮(完全に膝を伸ばせない)の防止と安定性確保にあります。伸展脚挙上運動や枕つぶし運動を自 宅で継続することが重要で、リハビリが極めて有効です。1~2週後の再診で練習方法の理解について確認します。

・外側楔状足底板などの装具療法は安定性保持のために広く用いられ、除痛効果を認めます。薬物療法として痛み止めを対症療法として用います。内服薬治療の補助手段として外用療法(湿布、塗り薬)が有効です。

・サプリメント(グルコサミン、コンドロイチンなど)は鎮痛、軟骨破壊抑制効果があるとされ、特定機能食品として扱われていますが、効果の科学的検証は明らかではなく、長期服用での経済的負担が問題となります。

・薬剤としてステロイドとヒアルロン酸が関節内注入療法で用いられ有効です。ヒアルロン酸は軽度から中等度に効果があり、週に1回関節内注射を行い、5回程度継続し効果を判定します。

・手術療法は、高位脛骨骨切り術、人工関節置換術、初期の軟骨欠損に対する軟骨移植や変性半月板の摘出をはじめ関節鏡を用いた操作などがあります。適応は年齢(活動性)と変形の進行度により決定します。

・人工関節を使用していると、自然にゆるんだり、破損したり、磨耗(まもう)する(すり減る)場合があるので負担のかかることは控える必要があります。