足首の奥が痛む:距骨離断性骨軟骨炎

< 記事一覧へ戻る

距骨離断性骨軟骨炎(きょこつりだんせいこつなんこつえん)

■どのような障害か

距骨離断性骨軟骨炎の症状はその進行の度合いよって大きく異なります。発生初期は足首に軽い違和感がある程度で、痛みもほとんど無くプレーをすることが可能です。
しかし症状が進むと、一過性の足首の腫れ(運動を休止すると腫れは消失することが多い)や体重をかけると足首の奥が痛む(深部痛)ようになり、足首を完全に伸ばしたり曲げることが出来なくなります。(→関節可動域制限の出現)
距骨離断性骨軟骨炎は運動の盛んな中学~高校生によく発生し、多くは片側の足に起こりますが、稀に両足ともなる場合もあります。

■なぜ起こるのか
ridan1
距骨離断性骨軟骨炎が発生する原因には様々なものがありますが、最も多い原因のひとつに度重なる足関節の捻挫があります。
足関節を内返し捻挫したとき、多くの場合は外側靭帯の損傷を伴います。適切な治療をせずにそのまま放置すると、腫れや痛みはある程度治まりますが、足関節に不安定性を残すことになり、このような足の状態で運動を続けると捻挫を頻繁に繰り返すようになってしまいます。
ridan2

強く足関節を捻ると、写真のように距骨の内側の角と脛骨の下面とが衝突し、回数を重ねるうちに距骨の軟骨が次第に傷つき、さらに症状が進むと軟骨下の骨が壊死を起こし完全に骨が剥がれてしまいます。
剥がれた骨は次第に丸みをおびて遊離体(関節鼠:かんせつねずみ)となり、骨の間に挟まって関節可動域の制限を引き起こします。

■どうしたら治るのか

早期に発見できた場合は、足首に体重をかけないようにする装具を日常生活で使用しながら積極的にリハビリテーションを行うことで治すことが可能です。
リハビリテーションでは軟骨の再生を促すようなリズミカルな可動域訓練と、足関節に負担をかけないような方法で足周りの筋力強化とストレッチを行います。
残念ながら発見が遅れ、症状が進んで慢性化してしまっているものについては手術が必要になることがあります。
手術には自分の体の別の場所から軟骨を採取して足関節に移植するものや、骨軟骨炎を起こした部分にドリルで小さな穴を多数あけて骨刺激を与え、軟骨の再生を促す方法などがあります。
手術は関節鏡と呼ばれる細い筒状のカメラを使って行うので体への負担も最小限に留めることが可能で、傷口もほとんど目立たないものです。
関節内に遊離体が認められる場合には摘出します。

提携施設 自由診療クリニック ゴールデンゲートクリニック